血管病変と潰瘍
2004/01/30の講義は判 りにくかった様ですので、詳しい解説のページを作成した
皮膚潰瘍:皮膚のキズ

 皮膚潰瘍の原因・・・多いのは外傷や熱傷・・・保存的や手術治療で改善
 難治性皮膚潰瘍・・・なかなか治らない、または再発する皮膚潰瘍。潰瘍部以外に原因・・・血行障害・神経障害
  その原因:動脈疾患(動脈閉塞・血栓症)、静脈疾患(下肢静脈瘤と深部静脈血栓後遺症)
       神経障害(糖尿病、脊損など)、血管炎+微小血栓(膠原病など)、慢性炎症

問診・診察について
  間歇性跛行:                             夕方の下肢浮腫:

既往歴や合併症:


動脈性皮膚潰瘍(虚血性潰瘍)
  閉塞性動脈硬化症(ASO):腹部大動脈〜下肢動脈の動脈硬化性閉塞による慢性の血流障害
    フォンテイン分類(症状の進行により4段階に区分)
     T度は下肢の冷感、しびれ
     U度は間歇性跛行(一定距離の歩行によって筋肉痛が起こり、休息後再び歩行可能になる)
     V度は安静時の下肢の疼痛
     W度は下肢の皮膚潰瘍、下肢壊疽


  動脈血栓塞栓症による皮膚潰瘍
    心房細動による左房内血栓、動脈瘤や不整動脈の壁在血栓などによる末梢の血栓塞栓



  バージャー病(閉塞性血栓血管炎)
    <1>動脈内膜層の炎症性変化。血栓の形成、次いでこれが器質化をきたし閉塞する病変。
    <2>血管全層炎であって、通常四肢主幹動脈を侵す。
    <3>下肢の動脈に多い。<4>青壮年男子に多く、日本の四肢慢性動脈閉塞症の2/3を占める。
  症状<1>20〜40歳の喫煙男子に多い(女・老人はまれ)<2>下肢片側性に倦怠感・冷感・蒼白化
    <3>次いで間欠性跛行 <4>患肢末端に疼痛が反復、完全血管閉塞では疼痛の為横臥出来ない。
    <5>患肢末端にチアノーゼ・紅斑・小出血をきたし、やがて壊死に陥り回復しない。


糖尿病性皮膚潰瘍(糖尿病性壊疽)
    狭義の糖尿病性壊疽・・・末梢神経障害による

    糖尿病性末梢神経障害+ASOによる壊疽

※糖尿病に伴うASOの特徴は:

足部壊疽(潰瘍)の鑑別


末梢神経障害
(狭義の糖尿病性壊疽)
末梢循環障害
(閉塞性動脈硬化症)
糖尿病罹病期間 長期が多い 一定しない
糖尿病コントロール  不良 関係なし
前駆症状 外傷・熱傷・水疱 冷感・間欠性跛行
自覚症状 無痛性 有痛性
皮膚温 暖かい 冷たい
末梢動脈拍動 良好 減弱・消失
潰瘍所見 乾燥・角化・湿潤(感染)  境界鮮明・深い
発生部位 足趾・足背など多発 足趾尖端
予後治癒 良好、再発性 難治性
治療 保存的治療 血行再建・切断

動脈性皮膚潰瘍の治療
 原因・部位により治療法が異なる
 

静脈性皮膚潰瘍
  静脈性潰瘍の原因
 

下肢静脈瘤の分類
 1次性下肢静脈瘤
  表在静脈である大または小伏在静脈そのものに原因のあるもの。
 2次性下肢静脈瘤
  大または小伏在静脈以外に原因(深部静脈血栓症など)があり、2次的に表在静脈が拡張し、これがバイ パスとなっているもの、など。

1次性下肢静脈瘤の主な成因
   表在静脈弁不全
   交通枝弁不全
   静脈壁の脆弱化
   AVシャント説
   その他

下肢静脈瘤の治療の適応
 静脈瘤が高度で将来合併症を起こす可能性のあるもの
 浮腫・皮膚炎・潰瘍など うっ血症状が著明なもの
 疼痛・易疲労感などの愁訴の強いもの
 静脈瘤の部分に血栓性静脈炎を繰り返すもの
 (美容上の適応)

現在の下肢静脈瘤治療
 硬化療法:高張食塩水・ポリドカノールの静脈内注入

 逆流静脈結紮・切離
 伏在静脈高位結紮+膝部結紮+不全交通枝結紮
 ストリッピング(鼡径から下腿1/2までの大伏在静脈抜去)
 
  上記治療後は必ず圧迫療法を行う。
    上記治療を行い約1ヶ月経過観察の後、残存する瘤に対して「硬化療法」を行う。
    伏在型には「硬化療法」のみの治療は行わない。

下肢静脈瘤治療の不適応・禁忌 または保存的治療を選択すべき状態
 
 手術に耐えられない高齢者や重篤な全身合併症、シャントを有する心疾患患者など
 静脈瘤が静脈還流路となっている場合(2次性静脈瘤)や深部静脈血栓症やその既往のある人
 閉塞性動脈硬化症などの下肢動脈閉塞性疾患
 治療部位に化膿性・感染性病変のある場合
 妊娠中など一過性の静脈瘤の可能性のある場合

 硬化療法の不適応: いわゆる尖端恐怖症傾向の人
            運動制限のある下肢

 


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患者さん向けの説明のページにリンク
皮膚良性腫瘍
下肢静脈瘤
皮膚潰瘍
物理的障害
外傷
熱傷
褥瘡

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