23.extra mammary Paget's disease:乳房外パジェット病

Paget病
 乳房Paget病と乳房外Paget病に分けられる
 乳房Paget病は乳管癌の表皮向性癌との考えがとられ,乳癌の一特異型とされている 皮膚科が主として取り扱う のは乳房外paget病であ る。



乳房外Paget病:extra mammary Paget's disease
外陰部,肛門部,まれに腋窩に発生する


従来前癌性とみなされて きたが,予後は有棘細胞癌と同様でPaget癌としての 取り扱いが必要

 症状 湿疹様紅斑や白斑として始まり,後に湿潤,びらん性局面を呈する。進行すると局面内に小腫瘤が みられ,所属リンパ節転移 が触知される

初期では湿疹・白癬と誤診されることがよくある。

※ 大腸・直腸癌,胃癌などが10%前後合併








病理 表皮内および汗管,毛包内に明るい大型のPaget細 胞が散在性、あるいは集簇性に胞巣を形成。進行すると真皮内へ浸潤


治療 病巣境界部より1cm以上離して広範囲切除するようにしている。多くは分層植皮を行っている。

 典型的組織像としてのPaget細胞 の組織診断も試験的には重要になる時代が来るだろう。Paget細胞はよく覚えておいて欲しい。


イトーひと言:外陰部に多い腫瘍なので、手術には苦労することが多 い。分層植皮を行う場合は、術中の体位変換も必要になる。女性の場合や肛門パジェット病は術後管理も大変になる ことがある。

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