薬の話

 先日、おもしろい表現を聞いた。「薬」とは草冠に楽と書くが、草冠が付くと、「草競馬」とか「草野球」の言葉でおなじみのように、「手軽な」とか「本格 的ではないもの」と言った意味らしい。つまり「薬」とは、「手軽に楽になる」や「本格的ではないが楽になる」もの、と考えるべきなのだろうか。


「薬あれこれ」2006/2/12

 いつも患者さんには、「薬はみんな毒を薄め た様なもんやからね。そやから、毒にも薬にもならんちゅー言葉もあるやろ」とよく説明する。
 まぁ、これでは説明にはなってないが、「ありふれた薬でも使い方を間違うと毒になるで」ちゅーことを言うているわけです。

「ステロイド」2006/2/12


 「酒は百薬の長」と言うが、「ステロイドは 百薬の次長」と、私はよく説明する。
 効いてるのか効いていないのかよく判らない薬は沢山あるが、ステロイドは必要なときに適量を使うと確実に効果的だし、使いすぎると必ず毒ののようなもの で、そう言う点では酒とステロイドはとてもよく似ている。
 ステロイドの副作用の話がよく取り上げられるが、特にステロイド塗り薬(外用剤)の場合は、症状や塗る部位によって非常に沢山ある外用剤の中から、選ん で使い、使用中の経過を注意深く診ていかなければならない場合がある。
 ステロイド外用剤の問題点は、これを処方する医師の半分〜2/3が、「外用剤のプロである皮膚科医」ではない、という部分にも原因する。外用剤の効果や 副作用を視診できない医師は処方すべきでないステロイド外用剤も結構ある。
 また、ステロイドと聞いた(見た)だけで恐怖症的に、外用を拒否される方がおられますが、これは間違いで、上手く選んで使うと非常に効果的である。
 その辺が私がステロイドを「百薬の次長」と呼ぶ理由である。

「ジェネリック医薬品」2006/2/12

 またまた、私の嫌いなカタカナ語である。
 最近、テレビや新聞その他の広告で、「ジェネリック医薬品は、同じ成分、同じ効き目の安い医薬品です」というのを見聞きする。
 医療費節減のために、最近はこれを処方することも増えてきている。
 ジェネリック医薬品は後発医薬品のことで、最初に開発・発売された「先発医薬品」の特許が切れてから、別の会社が真似て製造販売している薬である。
 しかし、広告を見聞きするかぎりこの後発医薬品が、先発医薬品と同じ薬の様に受け取れるが、それは間違いである。
「ジェネリック医薬品は、同じ成分、同じ効き目の安い医薬品です」と宣伝しているのは、正にその通りで、決して「副作用も同じ」とはしていない。
 ジェネリック医薬品について、少し調べてみたが、先発薬では副作用や臨床試験成績についての資料が承認申請時には不可欠だが、ジェネリックではこれが必 要ではない。また、主成分は同じだが、その他は同じではありません。主成分以外の成分が副作用の原因となる場合もある、ということは余り知られていないか もしれません。
 医師が薬を処方するときは、必要とする効果と副作用の頻度を考えて処方するのだが、副作用情報がなかなかつかめない薬を処方することは難しいことで、 ちょっと改善が必要と思っている。