伊藤孝明の
皮膚外科のお話

4.有棘細胞癌(SCC)squamous cell carcinoma
原因 原因不明だが、紫外線、慢性刺激、慢性炎症、ウイルス、放射線などが関与
症状 腫瘤,潰瘍。進行したものでは悪臭を伴う。領域リンパ節の転移はしばしば見られる。さらに進めば、肝,肺,骨などへの遠隔転移が生じる。
病理 腫瘍化した表皮ケラチノサイトの真皮内への不規則な浸潤性増殖。腫瘍細胞は大小不同,個細胞角化,癌真珠,核分裂像
治療 摘出手術 放射線療法,化学療法(ブレオマイシン,ペプロマイシン)。所属リンパ節郭清を行う場合もあり。センチネルリンパ節生検を行い、陽性なら リンパ節郭清を行うこともある(これは施設により治療方針が異なる:当科では患者さんの全身状態や病状を説明して治療法を選択してもらうこともある)