伊藤孝明の
皮膚外科のお話
3.乳房外Paget病 extramammary Paget's disease
外陰部,肛門部,まれに腋窩に発生する
従来前癌性とみなされてきたが,予後は有棘細胞癌と同様で「癌」としての取り扱いが必要
症状 湿疹様紅斑や白斑として始まり,後に湿潤,びらん性局面を呈する。進行すると局面内に小腫瘤がみられ,所属リンパ節転移が触知される
初期では湿疹や白癬症と誤診されることがよくある。
※ 大腸・直腸癌,胃癌などが10%前後合併
病理 表皮内および汗管,毛包内に胞体の明るい大型のPaget細胞が散在性、あるいは集簇性に胞巣を形成。進行すると真皮内へ浸潤
治療 病巣境界部より2〜3cm以上難して広範囲切除+リンパ節生検またはリンパ節郭清
紅斑部だけでなく白斑部にもPaget細胞がある。