兵庫医科大学
皮膚科学教室
伊藤孝明のページ
このページは本学5年生実習のためのものです。患者さん向けの内容
ではありません。
【皮膚腫瘍の患者さん】
皮膚腫瘍は、皮膚悪性腫瘍と良性腫瘍に大別されます。
【ホクロ(母斑細胞母斑)様の皮膚腫瘍】
最近は、主にテレビの健康系番組で、「手掌・足底のホクロ様皮疹にはメラノーマ(悪性黒色腫)のことがあるため注意!」といった内容のものが多
いため、このような番組があるとその翌週には、メラノーマを心配して多くの患者さんが来られます。
現在では、ダーモスコピー検査で、99%以上悪性(メラノーマ)か良性かの診断が可能ですが、100%ではありません。そのため比較的小さなホ
クロ様皮疹では、検査を兼ねて摘出するようにしています。
私自身は、75歳以下で、合併症のない正常血圧の患者さんでは、外来手術室で日帰り手術を行っています(予約制)。76歳以上、または合併症が
ある場合、高血圧がある場合は、入院の上、中央手術室で、完全な術中モニター下に血圧をコントロールして施行します。
【良性皮膚腫瘍】
粉瘤・脂漏性角化症・皮膚線維腫などの外来手術の基準はホクロ様皮疹の場合と同様です。
【皮膚悪性腫瘍】
悪性腫瘍が疑われる場合は、その腫瘍の種類・部位・程度によって、治療までの診断法が異なります。ボーエン病、小範囲の日光角化症などは、良性
腫瘍と同
様の基準で外来日帰り手術になりますが、一度生検を行ってから治療方針を決めることも多いです。転移の有無により方針が異なってくる場合は、まず
CTや
MRIで転移の検索をしたり、転移が疑われる場合は、PET-CTをまず予約して、治療方針を決めることになります。