平成23年度3年生伊藤講義
メールでの質問と返答
粉りゅう であるのに間違えて説明されることが多いのは脂肪腫ですか??脂肪のかたまりですか??
ネットにでてる18年の過去問の答えに脂肪腫と書いてあり、授業では脂肪のかたまり と書いてました。一緒という考え方でいいのですか??
・一般に開業医がよく使う「脂肪のかたまり」と呼んでいるもののほと
んどは粉瘤です。「脂肪腫」は、本当に脂肪のかたまりです。脂肪腫=脂肪のかたまり。粉瘤=ケラチン様物質(アカ)のかたまりです。
21年の問題で下肢静脈りゅう で結さつ療法が適応となるのは伏在型だけですか??
・結紮術の適応の多くは、伏在型静脈瘤です。側枝型静脈瘤の一部では
結紮術を行うことはありますが、一般的には伏在型に結紮術やストリッピングを行います。
下肢静脈瘤の結紮療法は深部静脈の血栓がないときに行うのを前提としてますよね?だとしたら深部静脈血栓症を除いた、クモの巣状静脈瘤・網目状静脈瘤・側
枝型静脈瘤・伏在型静脈瘤それぞれの症状が中程度まで悪化したら全て結紮療法を行う対象と考えていますが大丈夫ですか?
・結紮術(正しくは高位結紮術)や静脈抜去術(ストリッピング手術)
は、1次性静脈瘤の伏在型静脈瘤に対する手術治療法です。
硬化療法は、クモの巣状静脈瘤・網目状静脈瘤に対して行います。中程
度まで悪化しても硬化療法です。
問題なのは中程度以上に悪化した側枝型静脈瘤に対しては、結紮術(高
位結紮ではなくて、皮膚表面に逆流が出てきている部分)を行って硬化療法を行うことは実際にはあります。(高位結紮=大伏在静脈の鼡径部での結紮・小伏在
静脈の膝窩部での結紮のこと)
友人たちが『プリントに伏在静脈高位結紮って書いてるから』とか『伏在型が他の静脈瘤の病状が進んだものだから』とかで伏在型静脈のみ結紮療法と考えてお
り、結論つかないので質問させていただきます。
・まだ私も結論は出ていませんが、クモの巣状静脈瘤・網目状静脈瘤・
側枝型静脈瘤などの小静脈瘤が進行して伏在型静脈瘤になるのではないと考えています(原因が違う)。これらの小静脈瘤と伏在型静脈瘤は合併することはよく
ありますが、小静脈瘤が進行して伏在型静脈瘤になるのではないと考える方がよいです。若干の例外、偶発的な場合はありますが。