平成23年度3年生伊藤講義
10月18日(火) 1限目
質問一覧

グロムス腫瘍が爪甲基部の下にできた場合、摘出手術では変形した爪も一緒にとってしまうのか?
・爪を全抜爪してから腫瘍を摘出する方法と、変形した部分も含めて残 して、術後に新たに爪が生えてくる場合と爪の変形が残る場合とがある。


グロムス腫瘍は激痛とありますが、他の痛みはあるのか?オペで見たあんなに大きな脂肪が中に入っていたら痛い気がする
・グロムス腫瘍は圧痛が強い。常に痛みがあるのではない。「他の痛み はあるのか?」って質問内容がよく判りません。
・大きな脂肪腫でも、通常痛みはありません。脂肪腫の中では「血管脂 肪腫」は、圧痛があります。

15稗粒腫はよく見かけるが、人にうつるのか?
・感染性疾患ではありませんので、うつりません。

皮膚癌の原因の説明で、「物理的な刺激」(放射線など)が理由にありましたが、レーザー脱毛は物理的刺激に入るのか?
・レーザー脱毛は物理的な刺激があります。

Lipoma のオペでS字の切開線が描かれたのも手術部位のしわの方向に治ったものだったからか?
・しわの方向ではなくて、縫合創は必ず収縮するので、引きつれが生じ ないようにS字の切開を入れた。時間が経過すると、もっと緩やかなS字になる。逆に直線で切ると、創の収縮で引きつれる。

私も目のまわりに稗粒腫みたいなものが少しあるが、そのままで放っていて大丈夫か?
・放置していても問題はない。

なぜ悪性腫瘍があるとレーザートレラ症候群がおこるのか?
・不明。腫瘍の産生物質による(皮膚の老化)なのかもしれない。

脂肪腫と黄色種の違いは何か?
・全く別物。

真皮縫合はどこを縫い止めているのか? (初歩的な質問ですみません)
・皮膚の裏から、真皮を縫っている。

縫合の仕方が治癒してからの事を想定されているのが印象的。
・ふ〜ん、印象的でしたか。どんな手術でも治癒後を想定して手術の計 画をするようにしている。

非常にわかりやすかった。
・それは、良かった。

10月18日(火)2限目
質問一覧

MMは若年者(20代)でもできるか? 足の親指と人差し指の間ほくろがあるの参考に。
・できる。早く検査しておくべき場合も、あるよ。

MMは40〜70才とあるが、若年ではどうなのか?
・若年でも生じることがある。

生まれつき3〜4cmぐらいのホクロがあるが、生まれつきのホクロでもガン化する事があるのか?
・本当のホクロ=母斑細胞母斑=色素性母斑ならば、ガン化しない。し かし見た目にホクロと全く同じに見える悪性黒色腫があるので、組織診断しないと判らない場合がある。

なぜSCCで悪臭がするのか?
・癌臭(癌の臭い)。組織の壊死によるものか、癌そのものが臭いを発 するのか、腫瘍表面に付いた細菌によるものか、独特の腐敗臭の様な臭いがする。詳しいことは判らない。

1限目の内容だが、粉瘤は完全摘出せず置いておくと、自然吸収や圧出をしても再発しやすいのか?
・炎症が起こり自然吸収されて粉瘤の瘤壁まで吸収されると再発しない こともある。瘤壁を切って内容物(アカの塊)を圧出しても、通常再発する(というか残っているので、再度大きくなってくる)。

有棘Cell癌の予後はどれくらいか?
・皮膚の有棘細胞癌の予後は、病期により全く異なる。転移が無ければ 予後は良い。転移が無く完全摘出出来た場合は、ほぼ治癒と考えている。
有棘細胞癌全体では遠隔転移は2〜3%。遠隔転移すれば75%は致死 的(アメリカの統計による)。

わかりやすかった。
・了解です。