日
光角化症(同義語:老人性角化症) 定義 老人の顔面,手背など,露光部に生じる狭義前癌症 原因 紫外線 病理 表皮内有棘細胞癌の所見(肥厚型,萎縮型,類Bowen型,棘融解型に分類) 症状 顔面,手背にみられる紅褐色局面,鱗屑が付着 予後 有棘細胞癌への移行が極々起こる(20〜25%) 治療 切除 凍結療法 局所化学療法(5FU軟膏・ブレオマイシン軟膏の外用) |
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フロンガスによるオゾン層の破壊が社会問題化してから久し い。オゾン層が1%減少すると、有害紫外線が2%増加し、皮膚がん発生率が2%〜3%増加するといわれている。 紫外線と皮膚癌(大阪皮膚科医会ホームページ)http://www5a.biglobe.ne.jp/~oskhifu/info/14uv.html 紫外線と皮膚癌(竹之内辰也先生)http://www.niigata-cc.jp/contents/disease/ishi/Ishi42_2/Ishi42_2_01.pdf |
付 皮角:角状の硬い角質を主徴とした腫瘍 組織学的には 日光角化症,尋常性疣贅,脂漏性角化症,ケラトアカントーマ,有棘細胞癌などさまざま |
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Bowen
病 定義 皮膚粘膜の表皮内癌 特有の病理組織所見を有する 原因 多発性Bowen病ではヒ素が原因とされる ※ 内臓悪性腫瘍の合併率が高い 病理 表皮の不規則な肥厚 上皮性多核巨細胞 核分裂像 個細胞角化 症状 境界鮮明な紅褐色局面,鱗屑が付着 体幹・四肢など被覆部位に好発 治療 切除 凍結療法 局所化学療法 |
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ヒ素摂取(事件や井戸水)などで、ヒ素角化症が生じ、多発性ボーエン病の原因とな
りうる。 |
付 紅色肥厚症: Bowen病が陰茎亀頭部,女性外陰部,口腔粘膜などに生じたもの 表面がビロード状を示す 右は口腔粘膜の紅色肥厚症 |
乳
房外Paget病 外陰部,肛門部,まれに腋窩に発生する 従来前癌性とみなされてきたが,予後は有棘細胞癌と同様でPaget癌としての取り扱いが必要 症状 湿疹様紅斑や白斑として始まり,後に湿潤,びらん性局面を呈する。進行すると局面内に小腫瘤がみられ,所属リンパ節転移が触知される 初期では湿疹と誤診されることがよくある。 ※ 大腸・直腸癌,胃癌などが10%前後合併 |
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病理 表皮内および汗管,毛包内に明るい大型のPaget細胞が散在
性、あるいは集簇性に胞巣を形成。進行すると真皮内へ浸潤 治療 病巣境界部より3cm以上離して広範囲切除 典型的組織像としてのPaget細胞の組織診断も試験的に は重要になる時代が来るだろう。 |
有
棘細胞癌 原因 原因不明だが、紫外線、慢性刺激、慢性炎症、ウイルス、放射線などが関与 症状 腫瘤,潰瘍。進行したものでは悪臭を伴う。領域リンパ節への転移はしばしば見られる。さらに進めば、肝,肺,骨などへの遠隔転移が生じる。 病理 腫瘍化した表皮ケラチノサイトの真皮内への不規則な浸潤性増殖 腫瘍細胞は大小不同,個細胞角化,癌真珠,核分裂像 治療 手術 放射線療法,化学療法(ブレオマイシン,ペプロマイシン) |
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基
底細胞癌 皮膚癌の中では最も多い。当科でも皮膚癌手術中で最多。約85%は顔面に生じる。 一種の過誤腫で、転移は極めて稀。 局所侵襲性は強く骨まで浸潤する例も経験する。 原因 不明。紫外線による光老化が関与? 症状 基本的な型は黒褐色,蝋様光沢を有する結節で、拡大すると中心に潰瘍を伴う事が多い。 @〜Eのようなさまざまな臨床形態をとる @結節潰瘍型 A瘢痕化扁平型 B表在型 C斑状強皮症型 D破壊型 EPinkus型 進行は緩徐で,遠隔転移は稀である。 治療 手術療法 |
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典型的組織像としての基底細胞様細胞の柵状配列が試験的に は重要になる時代が来るだろう。 |
有棘細胞癌 |
基底細胞癌 |
急速に増大 | 緩徐に増大 |
転移能を有する | 局所破壊性、転移能に乏しい |
日光裸露部に多い | 約85%は顔面 |
異型有棘細胞の増殖 |
基底細胞に類似の細胞の増殖 |
悪
性黒色腫 メラノサイト系の腫瘍 転移しやすく,悪性度の高い腫瘍 皮膚,粘膜,眼のほか稀に脳軟膜に生じる 病型分類 @結節型 A表在拡大型 B悪性黒子型 C末端黒子型 病期分類・予後 Level分類(Clark) tumor thickness(Breslow) 腫瘍の部分的な生検や摘出は、禁忌とすべきである。 治療 手術療法 化学療法(ダカルバジンDTIC) 免疫療法 |
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慈恵医大皮膚科 上出良一先生のページへ 付 メラノーマと後天性色素性母斑の鑑別点 Asymmetry Border Color Diameter |
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隆
起性皮膚線維肉腫 中年以上の体幹や四肢に好発する しばしば半球状あるいは茸状に隆起する 周辺組織内へ広範に侵入していることが多く、十分な切除範囲で 摘出しないと高率に再発する。 腫瘍底部の摘出を充分に行う必要がある。 転移することはほとんどない |
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悪
性線維性組織球腫 成人の四肢近位部の骨格筋に好発する 悪性度が高く、高率に再発する。腫瘍底部の摘出を充分に行う必要がある。 転移が生じる |
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血
管肉腫(悪性血管内皮細胞腫) 高齢者の前頭部から前額部に好発する 悪性度がきわめて高い 高率に局所再発し,血行性転移(肺転移など)を起こす 治療: 広範囲切除術,放射線治療 インターロイキン2 |
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皮膚悪性腫瘍中で最も悪性と言える。広範囲摘出+放射線治療でも予後悪
い。 |
菌
状息肉症 皮膚に原発する代表的なT細胞リンパ腫 腫瘍細胞はhelper / inducerT細胞 病期・臨床所見 1)紅斑期 局面状類乾癬様皮疹が代表的皮疹 :湿疹様皮疹が、軽快再発を繰り 返しながら症状が固定持続してゆく。数カ月〜数年におよびかゆみをともなう。 2)局面期 扁平に隆起し,浸潤を触れる紅斑 :皮疹が次第に扁平に隆起拡大。 この頃よりリンパ節の腫脹が現れ、ここまでで10年〜20年かかる。 3)腫瘍期 浸潤局面上に結節、腫瘤を形成し自潰する :腫瘤の表面がつぶれると同時 に、肝臓や脾臓の腫れも顕著になり、この時期になると約1年位で死亡。 病理 息肉症細胞 Pautrier微小膿瘍 |
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