血管病変と潰瘍

皮膚潰瘍
  皮膚潰瘍の原因

  動脈性皮膚潰瘍

  静脈性皮膚潰瘍

  その他の原因による皮膚潰瘍

動脈性皮膚潰瘍
  動脈性潰瘍の原因

足部壊疽(潰瘍)の鑑別
末梢神経障害
(狭義の糖尿病性壊疽)
末梢循環障害
(閉塞性動脈硬化症)
糖尿病罹病期間 長期が多い 一定しない
糖尿病コントロール  不良 関係なし
前駆症状 外傷・熱傷・水疱 冷感・間欠性跛行
自覚症状 無痛性 有痛性
皮膚温 暖かい 冷たい
末梢動脈拍動 良好 減弱・消失
潰瘍所見 乾燥・角化・湿潤(感染)  境界鮮明・深い
発生部位 足趾・足背など多発 足趾尖端
予後治癒 良好、再発性 難治性
治療 保存的治療 血行再建・切断

動脈性皮膚潰瘍の治療
 原因・部位により治療法が異なる
 

静脈性皮膚潰瘍
  静脈性潰瘍の原因
 

下肢静脈瘤の分類
 1次性下肢静脈瘤
  表在静脈である大または小伏在静脈そのものに原因のあるもの。
 2次性下肢静脈瘤
  大または小伏在静脈以外に原因(深部静脈血栓症など)があり、2次的に表在静脈が拡張し、これがバイパスとなっているもの、など。

1次性下肢静脈瘤の主な成因
   表在静脈弁不全
   交通枝弁不全
   静脈壁の脆弱化
   AVシャント説
   その他

下肢静脈瘤の治療の適応
 静脈瘤が高度で将来合併症を起こす可能性のあるもの
 浮腫・皮膚炎・潰瘍など うっ血症状が著明なもの
 疼痛・易疲労感などの愁訴の強いもの
 静脈瘤の部分に血栓性静脈炎を繰り返すもの
 (美容上の適応)

現在の下肢静脈瘤治療
 硬化療法:高張食塩水・ポリドカノールの静脈内注入

 逆流静脈結紮・切離
 伏在静脈高位結紮+膝部結紮+不全交通枝結紮
 ストリッピング(鼡径から下腿1/2までの大伏在静脈抜去)
 
  上記治療後は必ず圧迫療法を行う。
    上記治療を行い約1ヶ月経過観察の後、残存する瘤に対して「硬化療法」を行う。
    伏在型には「硬化療法」のみの治療は行わない。

下肢静脈瘤治療の不適応・禁忌 または保存的治療を選択すべき状態
 
 手術に耐えられない高齢者や重篤な全身合併症、シャントを有する心疾患患者など
 静脈瘤が静脈還流路となっている場合(2次性静脈瘤)や深部静脈血栓症やその既往のある人
 閉塞性動脈硬化症などの下肢動脈閉塞性疾患
 治療部位に化膿性・感染性病変のある場合
 妊娠中など一過性の静脈瘤の可能性のある場合

 硬化療法の不適応: いわゆる尖端恐怖症傾向の人
            運動制限のある下肢
 

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患者さん向けの説明のページにリンク
皮膚良性腫瘍
下肢静脈瘤
皮膚潰瘍
物理的障害
外傷
熱傷
褥瘡

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